遺体と死体

突然ですが、「遺体」と「死体」との違いはわかりますでしょうか?

私たち葬儀社が取り扱っている物質は「死んだ体」であり、

「死体」なのですが、間違ってもお葬式をご依頼頂いたお客様に

「死体は・・・・」なんて表現は絶対にいたしません

当然といえば当然なのですが、お亡くなりになられた方を

言葉で表現するのに「ご遺体は・・・・」という表現を用います。

もっとも私は「ご遺体は・・・」という表現すらご遺族の皆様には大変失礼な

言葉だと思っていますので「お亡くなりになられた方」と言う

表現やもしくは「お父さん」「お母さん」「おじいさん」

「おばあさん」
もしくは亡くなられた方のお名前を

直接呼ぶように心がけています。

ご遺族にとっては目の前「死」という現実は頭では受け入れられても

心では決して受け入れ難い状態の時がお葬式の前の心情です。

もっとも「心」で死を受け入れる為にお葬式をするという役割があるのですが。




肉体という物質的には「死」は存在しても、「魂は死なない」というのが

各種宗教の基本的な考え方であり、遺伝子学的にも「DNAは不滅」

いう考え方に繋がります。

イギリスの生物学者リチャード・ドーキンスが唱えた「利己的遺伝子」

という考え方では生物の肉体は一つの乗り物で過ぎないのであって、

生き残り続ける為に生物の遺伝子はその乗り物を次々に乗り換える


という理論があります。

これは個体には死があるので、生殖によってコピーをつくり次の肉体を残し

そこに乗り移るということです。

「遺体」とは本来の意味は読んで字のごとく、

「遺(のこ)した体」という意味です。

つまり、祖父や親が遺して逝った「体」は実は私たちなのです。

遺伝子学的には私たちはご先祖さまの「遺体」であり、

私たちが生きているということは亡くなった親や祖父・祖母の命も

一緒に生きているということになります。



ご先祖さまのDNAを受けている私たちがお仏壇やお墓参りをしない

ということは「心」の問題では絶対に考えられないことです。

今の私があるのは「ご先祖さまのおかげ」と言われると何を!

抵抗感を覚える方も「私たちはご先祖さまの遺体」と言われる

ならばどのように思われるでしょうか。

大切なことはこの「遺体」を次の世代に繋げていくことなのです。

そして、その次の世代に繋げていく儀式こそが「葬儀」なのです。








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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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