長幼の序

「長幼(ちょうよう)の序」というルールがあります。

年長者と年少者との間には社会習慣上守るべき一定の規律がある

というルールであり、「年長者に対する畏敬の念」というのは

長幼の序の象徴的な事象でしょう。

電車やバスなどの公共交通機関において高齢者や弱者に席を譲る

ことは誰も知っているはずの常識です。

家においては父、母、兄、弟という序列があり、

会社においては社長、専務、常務、部長、課長・・・・

という社会習慣上の序列は明確なはずです。

しかしながら、なかなか長幼の序というルールは現代の日本人にとって

守られていない礼儀なのです。

長幼の序というのは礼儀の中で本来簡単であるはずの行いなのですが、

現代社会の中ではもっとも難しい礼儀となっています。

何かにつけて「順序」というのは大切であり、順序を間違えるからこそ、

諍いや問題が発生するのです。逆説的に言えば、世の中で起きている

様々な問題も順序を正しく元に戻せば問題が解決できるものなのです。




ところで、最近はフューネのお客様でも親子・兄弟間でとても仲の悪い

お客様が増えています。

「あいつとしゃべりたくもない」

「同じ空気を吸っているだけも耐えがたい」


いやはや、本当に末期的な仲の悪い家族のお葬式の担当をする

フューネの担当者は神経を擦り減らします。

実際のこのようなお客様の担当になると

「親族控室をもう一つ用意してほしい」

というお客様のご要望はもはや想定内のご要望であり、

中には冷蔵庫のビール・ジュースの精算は別々でというご要望や

お互い話をしない親族間の伝書鳩の役目をフューネの社員が行う羽目に

なってしまうことも。

そもそも仲の悪くなった原因は様々ですが、父親が悪いと言い切る息子や

兄貴が嫌いと言い切る弟を見ていると間違いなく「長幼の序」が

出来ていないから仲が悪いのだと思ってしまうのです。

例え仲が悪くても社会では「目上の人を目下の人が敬う」

という当たり前の礼儀が必要なのです。




近年、フューネのお葬式では葬儀の焼香時にお名前を読み上げる

焼香順位をしないお葬式をお客様にご提案しています。

本来、「人は平等であり、序列をつけるべきでない」というのが、

建前ですが、実際には家族だけで行うお葬式が増えている為に

必要性を感じないお客様が増えているという時代背景と

序列と作る作業は喪主さまはじめご家族様にとってかなりの負担を

強いる為に負担軽減をご提案しています。

焼香順位は故人から見て血の濃い人々の順位は簡単ですが、

おじ・おば・いとこ位になってくるとなかなか序列が付けにくいものです。

あえて一番から最終番まで順位をつけることはとても大変なことなのです。

ですが、仲の悪い家族には「焼香順位」の作成は是非オススメします。

本来、守られているべき家族間の順序が守られていないのが原因ですから、

順序をつけることで正しい順序を学んで頂きたいと思います。

お葬式は「長幼の序」を学ぶ絶好の学校ですから。










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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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