青空納棺

フューネが大切にしている納棺の儀式は単にご遺体をお棺を入れる

という行為ではなく、お亡くなりになられた方がこの世からあの世に

旅立ちの出発式でもあり、昔から納棺式のことを三途の川を渡っていく

舟に見立て「舟入りの儀式」とも言います。

「フューネ」という社名変更をする時に、葬儀という意味の英単語で

ある「funeral」からカタカナの「フューネ」とせずに

アルファベットで「FUNE」とあえて読みにくいほうを採用したのも

フューネに「舟」をかけているのです。



さて、本来は納棺は住み慣れたご自宅で行うことが私はベストだと

思っていますが、昨今の住宅事情で自宅にお棺を入れることが

出来ないケースが多々あります。

エレベーターの無い集合住宅とか狭い廊下でお棺が入らない時などは

そのようなケースの代表です。そのような時は担架を使いご遺体を

運び、葬儀会館などの設備が整ったところで納棺をします。

ところが自宅で納棺することが物理的に不可能な場合でもどうしても

現地で納棺をしなければならない場合があります。

多くの場合は死後数日から一か月くらい経過している腐乱状態の

場合です。

この場合は匂いや体液を拡散させないようにすぐの処置が必要です。

自宅内で出来ない場合は自宅の庭や場合によっては路上で納棺を

することがあるのです。

私の経験した一番過酷なところは屋根の上というケースが一度だけ

ありました。

ご自宅の2階でお亡くなりになられたのすが、死後一か月の腐乱状態で

階段が急すぎて担架も使えず、部屋にもお棺が入らず、仕方なく

2時間ほど対応を考え出した結論が屋根の上で納棺をするという

判断でした。

大がかりな納棺に応援を呼び、我々のスタッフは計10人。

屋根の上での納棺に夜中でしたが、近所の人の見物人も

大勢集まってきてしまった現場でした。





私たちは仕方なく野外で納棺することを「青空納棺」と呼んでいます。

青空納棺の現場は通常と比べるとかなり過酷なところが多いのですが、

お亡くなりになられた方の尊厳が損なわれないように最大限の敬意を

もって応対をしているのです。










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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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