お金を借りる

事業を継続するには絶対にお金は必要です。

新しいこと事業を興すには先行投資が必要ですし、一時的に手元の資金が

不足することを補う為に運転資金も必要です。

潤沢なお金が手元に無い時は借りてでも調達をしなければならないのですが、

お金を借りることは、決して簡単ではないのです。

お金を借りる為に必要なことは兎にも角にも「信用」であり、「信用」がなければ

お金を決して借りることはできません。

では何の「信用」かと言えば、約束をした通りにお金を返すことが出来るか

という信用が必要なのです。

この「信用」は簡単に得られるものではなく、長年の約束事の遵守姿勢や

担保になりゆる動産・不動産の存在がなければ決して得られません。




事業承継の際に、後継者が大きな勘違いをしてしまうことの中で、自分の

信用でお金を貸してくれると思い込んでしまうことがあります。

自分自身の信用でなく、先代・先々代と受け継いできた約束事の遵守に

よって得られた信用でお金が借りられるのであって、自分自身の信用力

では決してありません。

私が30歳で社長になり、わずか数か月で運転資金が枯渇した時に

金融機関はお金を貸してくれませんでした。貸してくれると表明を頂いた

金融機関でも私以外の連帯保証人の設定か担保提供が条件でした。

業績が悪いという背景はあったものの、自分が社長なのに全く信頼されず、

先代の連帯保証を要求された時に初めてお金を貸してくれるということは

生半可なものではないと身を持って認識をしたのでした。

振り返ってみれば、何も実績もない若干30歳の新米社長の信用なんて

あるはずはないことは解るのですが、感情的には今でも悔しい思い出です。



事業承継の際は先代との並行期間は出来れば無いよりもあったほうが

いいのです。何故ならば、いきなり事業承継をしても「信用」は簡単に

承継出来ないからです。

しかしながら、自分自身の体験からいえば、いきなり困難にぶち当たるから

こそ、大切なことだと気づくことも出来たことは事実なのです。

どちらが本当に正しいのかは私自身も解りませんが、お金を自身の信用

で借りることが出来ない間は事業承継が完了したとは言えないことだけは

断言できます。













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