ご遺体に触れることの大切な価値観

ついに日本でも交通事故でお亡くなりになられた方が

実は新型コロナウィルスの陽性であったということが起きました。

葬儀社にとって新型コロナウィルスの一番の脅威は陽性でお亡くなり

になられたことが解っている方ではなくて、いわゆる普通の死因で

お亡くなりになられたはずの方が陽性患者であったというケースです。

残念ながら、新型コロナウィルスに罹患し、病院で治療を受けて

亡くなった方の場合は必ず病院から死因の告知があり、

私たち葬儀社の社員も防護服・マスク・ゴーグル・手袋と完全防備で

ご遺体と対峙することになります。

正しい装備の使い方をしていれば、まず感染するリスクはない

のですが、陽性患者であったことがご遺体の接触の後に判明することは

極めて危険な状態です。

なぜかというと、ご遺体を素手で触るからなのです。

公衆衛生の観点からいえば、ご遺体に付随しているあまたの雑菌に

対して素手で触るということは新型コロナウィルスうんぬんに

関わらず、とても危険な行為です。

そこまでわかっていてなぜ葬儀社の社員が基本的に

ご遺体を触れる時に素手なのかというと、死体としてではなく

「生きている人」という観点でいるからなのです。

ご遺族にとってはお亡くなりになられた方は「生きています」。

ですから、人間の尊厳を冒す行為はご法度であり、間違って

私たちが「死体」と呼ぶことはありません。

百歩譲って「ご遺体」という言葉で呼ぶのです。



しかしながら、新型コロナウィルスという未知の命の危険に晒される

ウィルスの前に私たち葬儀社が大切にしてきたご遺体に対する尊厳

さえも脅かすことになってしまっているのです。

従前のように、「生きている」人に触れるのに手袋・マスクの着用は

失礼ではないかということと、自分自身の身の安全を守る為には

着用するべきという観点の葛藤がそこにあるのです。



良くも悪くも、命を危険を晒すウィルスの前にこれまでの常識と

呼ばれる概念や観念は崩壊しました。

同時に新たな価値観が生まれてきます。

ご遺体に触れることの大切な価値観もアフターコロナにおいて

大きく変化する予感がするのです。













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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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