笑いの効用

笑うという行為は多くの場合楽しさの感情表現であり、日常生活に

おいて笑う回数が多ければ多いほど、楽しい生活が送れるものです。

お葬式の現場において「笑う」という行為に違和感を感じる方は

多いのですが、その理由は「笑い」は不謹慎であるという

固定観念によるものです。

確かにすすり泣きや嗚咽、はたまた慟哭などをされている方が

いる空間で大声で笑うということはもっての外ですが、

人が亡くなってから火葬場に行くまでずっと泣いて悲しみに

浸っているということばかりではありません。




結論を先に申し上げますと、葬儀には「笑い」は絶対に必要なものだと

考えます。悲しみの中でも笑いの要素は必要です。笑いには緊張を

和ませる要素があり、また悲しみを和らげたり、一時的に忘れさせる

要素があります。ですから、葬儀の施行運営においてお客様を笑わせる

ことはサービスを提供する葬儀のプロとして大切なことです。

しかしながら、悲しみに支配された緊張感たっぷりの中で笑いを

とることはとても難易度の高いことです。

安易に笑いを取りにいくことは大クレームをリスクを孕んでいます。

経験の浅い葬祭ディレクターが笑いを取りにいくことは

はっきり言って無謀です。

それでも、ベテランの葬祭ディレクターや一流の腕の持っている

葬祭ディレクターは実に上手にお客様から笑いを取っています。

お客様の想い出話の中に上手に入り込んで笑いを取ったり、

自分自身の自虐ネタを披露したりと悲しみの中に笑いありという

理想的な空気感を作り出しているのです。




経験の浅い葬祭ディレクターが笑いをとりに行く上で、一番安全な

方法は「何事も真剣に一生懸命にやること」です。

真面目にやっていて偶発的に起きるドジなミスは必ず笑いがとれます。

笑いは取りに行くと難しいですが、笑いが起きる環境を整えることは

さほど難しくないのです。



葬儀のおけるお客様の反応で難しいのは悲しみの感情表現が

泣くなどということではなく「笑ってしまう」という方がいらっしゃる

ことなのです。

悲しすぎて笑っているお客様に間違って同調して笑い返すことは

とんでもない不謹慎なことになります。間違いなく怒りの感情に

変わってしまうのです。

そのような方がいらっしゃるからこそ、ますます難しい悲しみの

空気の中での笑いですが、「感動葬儀。」にはやはり「笑いの効用」は

絶対に必要なことなのです。












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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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