事業の多角化と事業承継

「事業の多角化」と「事業承継」は、一見別々のテーマに見えますが、実は企業の持続可能性(サステナビリティ)」という観点で深く結びついています。
近年、既存事業の成熟や市場変化が激しいため、「後継者に安定した未来を渡すために多角化する」、あるいは「後継者が自身のカラーを出すために新事業を立ち上げる」というケースが増えています。

事業の多角化には 1つの事業がダメになっても、他でカバーできるという「リスク分散」というメリットがあります。また、本業で得られた 既存の技術や販路を新しい事業に活かせるという「シナジー(相乗効果)」もメリットです。
反対にヒト・モノ・カネがバラバラになり、管理が複雑になるというデメリットや 新しい分野の学習や設備投資に多額の資金が必要というデメリットもあります。


多角化には「後継者の実績作りとしての多角化」という戦略もあります。
親(現社長)がカリスマであるほど、後継者は「自分は必要とされているのか?」というプレッシャーを感じがちです。そこで、後継者が中心となって新規事業(多角化)を立ち上げることで、社内での求心力を高め、自身の経営手腕を証明する機会にできるのです。
近年、事業承継を成功した企業の実例を見ていると後継者が事業の多角化に成功した企業が業績を大きく伸ばしています。
まさに企業の存続には事業の多角化は重要なキーワードなのです。


事業には寿命(プロダクト・ライフサイクル)があります。承継のタイミングで既存事業が衰退期に入っていると、後継者は「借金と古い事業」だけを背負うことになります。承継前に多角化を進めておくことは、後継者に「明るい未来」をセットで渡すための準備であり、企業を取り巻く環境の変化がとても速い現在では絶対に必要な検討課題なのです。


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