言霊 「縁起が悪い」篇

古来より言葉には「霊が宿る」といわれてきました。

声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、

良い言葉を発すると良い事が起こり

不吉な言葉を発すると凶事が起こる

と信じられてきています。

これを言霊(ことだま)といい、特に日本人は言霊の存在を

信じることによって生活をしてきました。

古来の日本では「言(こと)=事(こと)」だと信じられており、

言葉を発した通りの事が起きると信じられてきました。

良い意味でも悪い意味でも言霊は

日本人にとって無視できないものなのです。

そして、科学や文化が発達した現代においても

「言霊」を信じること(言霊信仰)は根強く残っています。



「縁起でもない」

とよく言いますがこれはまさに言霊信仰の影響です。

縁起でもない言葉とは忌み言葉と言われ禁句とされています。

例えば結婚式では「切れる」とか「終わる」とか「帰る」とか。

このような言葉のニュアンスを使いたいときは使ってはいけない言葉は

使えないので他の言葉に置き換えます。

「ナイフで切る」は「ナイフを入れる」、

「終わる」は「お開きにする」、

「帰る」は「中座する」
などというようにします。

ところで言霊信仰で考えると「お葬式は縁起の悪いもの」

考えられていますが、それでもお葬式の時に使ってはいけない

言葉はあります。

例えばお葬式の司会をするときは

「続きまして・・・」

という言葉はちょっとマズイですね。

忌み言葉を気にされるお客様なら、私たち葬儀社に対して

「次のお葬式を待っているのか!!」

厳しいお叱りを受けること間違いなしです。



さてさて、とにかく

「縁起の悪いことば」が嫌いな日本人

自分の周りを見渡せば、言霊の影響を受けた物ばかりですが、

一例として「たくわん」のお話をいたしましょう。

飲食店で、おかずの一品として

「たくわんが二切れ付いてくる事」

がよくありますが、たくわんを二切れ出すという習慣は、

江戸時代から始まったといわれています。

江戸時代は侍が中心だった時代であり、

たくわんはおかずに欠かせない定番でしたが

侍にたくわんを一切れ、もしくは三切れだけ出すのはタブーでした。

それは、一切れは「人斬れ」に通じ、

三切れは「身斬れ(腹を切れ)」

通じると為だといわれています。

つまり、一切れ、三切れでは「縁起が悪い」

ということでなのです。

まさに言霊の影響が食文化にまで入り込んでいる典型例ですね。



言霊的に言えば「縁起の悪い言葉」があれば当然、「縁起の良い言葉」

があります。次回「縁起の良い」篇に続きます。





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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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