無宗教なのに?

あるお客様のからの質問です。

「私は無宗教のつもりですが、日本人はみな仏教徒なのですか?」



確かにお葬式ではほとんど仏教式のお葬式です。

ほとんどと申し上げましたが、全体では約80%くらいの割合です。

残りは2割は神式・キリスト式・無宗教やいわゆる

新興宗教といわれる教団など。

現在でも日本では「葬儀は仏教式」というイメージは大多数を占める

仏式葬儀の比率がそうイメージさせるのです。

しかしながら、ご質問の通り、日本人は皆仏教徒かというと大方の皆様は

そうは思っていらっしゃらないと思います。

現実には現代の日本人は仏教を信じている人、つまり仏教徒といわれる方は

国民の約2割くらいの比率だそうです。

2割しか信じていないのに8割のお葬式が仏式であるところにねじれ

起きているのです。

けっして自分自身が仏教徒ではないのですが、代々伝わる家の宗教が

仏教だからそんな感覚でお葬式を仏式という選択をされている方が

先ほどの数字が示しているようにほとんどなのです。

ですから、自分自身は特定の宗教を信じていないけれどお葬式は

仏教式でやってしまったという方は言ってみればお葬式全体の6割も

ある訳で、このような方は仏教を心から信じている訳ではない為に

お寺さまに払うお布施が高いと感じる典型的な人々なのです。



ではなぜ仏教徒が少ないのに仏教式のお葬式が多いのでしょうか?

実は歴史的に国家の方策で全国民が仏教徒にならなくてはいけない時代が

あったからなのです。

この時代とは「江戸時代」

江戸時代には必ずどこかのお寺に属さなければなりませんでした。

この制度のことを寺請制度といいますが、くわしくは以前のブログ記事

「寺請制度」で説明しましたのでご参照ください。

江戸時代、徳川幕府は人民の統治に仏教を利用したのです。

キリスト教を排除し鎖国をし海外の文化に触れさせず、間違っても幕府に

反抗しようする思想を植えつける可能性のあるものは徹底的に排除しました。

そして、寺院が戸籍も管理し、今でいう役所の機能

持たせていました。

その結果、世界史上稀にみる300年間も続いた平和

勝ち取ることが出来たのですから、一部のキリシタン信者を除いて、

仏教徒になることは自然に受け入れられたと思います。

信仰の自由が保証されている今の日本でもお葬式がほとんど仏教式なのは

江戸時代から続く、家の歴史が存在するからなのです。
















最新記事

最新記事

初めての方へ FUNE公式サイト

三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


2024

5

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

PAGE TOP