合理的なお葬式を求めるお客様

葬儀の小規模化はますます拍車がかかっている今日この頃ですが、なぜこのような流れが進んでいるのかというと葬儀に多くの人を巻き込まないという喪主になられる方の強い意思表示が一番の影響だと思います。
昔は親族一同に加えて、隣近所の方々、会社関係の方々をお葬式に巻き込むのは必然であり、喪主にそのことに対する拒否権はなかったのでした。
ところが、現在のお葬式は周りを巻き込まないことで喪主の意思がはっきりとお葬式の形態に反映が出来るようになりました。家族葬で行ないたければ家族葬を。隣近所の人の弔問は良いけれど会社関係の弔問は辞退する。お寺様は呼ばない。通夜はしないなどなど・・・と喪主の意思がそのまま通用するのです。
結果的に喪主が合理的に考えたことがお葬式に反映され、最近の葬儀は「合理的なお葬式」ばかりなのです。

元来、人間付き合いは合理的にはなかなかいかないものです。その非合理的な状態はお葬式も同じで、葬儀の現場では頭の中で考えた通りにことが運ばないことのほうが多いのです。
しかしながら、葬儀の主催者である喪主は合理性を求めることが円滑な運営を目指す以上当たり前のことだと思います。
それでも、お葬式を合理的にすればするほど、葬儀サービスは事務的にならざる得ないのです。
例えば、出棺の直前に行う最期のお別れの時間はご遺族の皆様のとってかけがえのない時間ですが、お葬式が予定より延びたからといって割愛をしたり、時間を短縮することは運営上は非常に合理的なのですが、そのようなことは絶対に出来ないのです。
人が人として関わる以上様々なハプニングはつきものですし、それにある程度対応することは非合理的なことです。


結局のところ、金銭的にも、お葬式の運営にも、お葬式の形態にも極端な合理的考えはトラブルの元です。
安さの合理性を求めて失敗するお客様や時間の効率を求めて無理矢理な葬儀日程を組むお客様や弔問客を極端に排除して行うお客様は失敗の憂き目にあうリスクが非常に高いのです。
合理性と非合理性のバランス感覚は非常に重要でお葬式における非合理性は自動車のハンドルの「アソビ」と同じ役割となるのです。
喪主を務められる方には是非、周りの方々のアドバイスを聞き入れて合理性と非合理性のバランスのとれたお葬式を選んで欲しいものです。





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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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