畳の縁

フューネの葬儀会館では数年前より、初七日の後のお食事をする

食事会場を順次改装し、畳敷きの和室からフローリングの洋室にしています。

これは時代の流れとともに日本人の生活様式が変化してきて、正座をして

何かをするということはもちろん、長時間椅子の無いところで座りつづけると

いうことさえも敬遠する方が増えてきている為なのです。

トイレも気がつけば「和式」を好む方は少なくなり、洋式の便座がある

トイレが最早、あたりまえになってしまいました。

まだまだ、洋式便器が珍しかったころは

「人が座った便座におしりをつけたくない」

と言っていたのに変われば変わるものです。

その一方、現代人は確実に足腰は弱くなってきています。

自宅や寺院でのお葬式が主流の頃は一般の会葬者は式典の間、

外で立っているのが常識でしたが、今は葬儀会館で座るのが当たり前。

一時間ずっと立っていることに耐えられないお客様もいらっしゃいます。

ですから、少しでもイス席を増やす為の改装工事も必要なのです。

お客様の嗜好の変化とともに、少しでも快適に過ごして頂く為に葬儀会館の

リニューアルはフューネでは結構頻繁に行っています。




さて、畳敷きの和室は日本ならではの建築様式のお部屋です。

畳の間を歩いて移動するときに畳と畳の境界に縁(へり)があり、

子供の時に

「畳の縁(へり)を踏んじゃ駄目!!」

とよく親に叱られたものです。

子供の頃はなぜ、縁を踏んではいけないのかわかりませんでしたが、

大人になり、畳の誕生のいわれを知ると納得がいく作法なのだと

わかりました。

今では和室はどこの家でも当たり前ですが、昔の日本の家では板敷きが

当たり前です。和室に畳を敷き詰める屋敷というのは余程、高貴な方の屋敷

しかありません。平安時代では敷き詰めるというよりもしろクッションがわりで

使っていました。貴族の方さえも自分の寝るところだけしか

畳を敷くことはなかったのです。

一枚の畳の上で寝起きから、食事など、何でもこなしていました。

畳の上は完全にプライベートの空間だったのです。

ですから、畳の縁は人の人との境界線であり、縁を踏む行為が

個人の領域を侵すとして禁じられたのです。



今、日本の住宅では畳敷きの部屋が少なくなり、フローリングのお部屋が

主流になっています。ところが畳がもてはやされています。

クッションとして使うのです。

1000年前の平安時代に戻ったような畳の原点がまた流行っていることに

面白さを感じずにはいられません。


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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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