事業承継と金融機関

毎年の12月は2005年の社長就任以来、弊社とお取引のある銀行7行を

訪問し、決算の報告と来年の経営方針を説明することを気が付けば16年も

続けています。

金融機関としてはお客様からお預かり頂いたお金を融資先として貸出して

いる以上、その貸出先に異常があってはならない訳です。

お金をお借りしている以上経営状況を正しく公開し、今年度の事業により

どのように経営していくかということ伝えることは金融機関との信頼関係を

構築していく為には絶対に必要なことだといえます。

報告にいく以上はこちらから足を運ぶべきという姿勢は私は先代からの

事業承継で引き継いだ大切なスタンスです。



事業承継を行うとこれまでは全く金融機関との交渉やお付き合いをして

いなかった後継者も必要に迫られてきます。

創業者であれば、創業時から金融機関とのお取引は避けては通れない

ことですが、優良な会社の後継者にとって金融機関は遠い位置にあることが

多いのです。

銀行を中心とした金融機関とどうやってお付き合いや交渉をすればよいのか

ということは事業承継の中では極めて重要です。

しかしながら、社長になるまで全く気にも留めていない人も多いのが現実です。

企業にとってお金とは血液と同じであり、流れ続けていなければ

ならないものです。

血液の流れの停止は「死」を意味します。



お金の流れが一瞬でも止まってしまうとお客様やお取引先からの信用が

瞬時に失われてしまいますから、「流れ続けていかなければならない」のです。

事業をしていると流れが止まりそうな危機がしばしば訪れます。

その時に、流れを止めないようにする為には金融機関の協力が不可欠なのです。

だからこそ、金融機関は経営をしていく上でいつも近くにいなければなりません。

後継者にとって不幸なのは金融機関とは単に「お金を貸し借りだけをしている」

と思ってしまうことです。

それでは事業の広がりは望めないのでないでしょうか。

金融の専門家としての経営のアドバイスや土地や事業拡大の相談、

ビジネスマッチングによる新規のお客様の斡旋などなど・・・

こう言ってはなんですが、金融機関とのお付き合いは無限の可能性を秘めて

いるのです。

時として後継者に厳しいお叱りを頂けるくらいの人間関係が金融機関の

担当者と築けるまでは金融機関の事業承継は終わらないのです。

















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