コンビニより多いお寺の問題

最近テレビを見ているとよくクイズとして

「コンビニとお寺の数、多いのはどっち?」

という問題が頻繁に出題されているように思います。

テレビ出演している芸能人などが大方、出題者の予想通り、

「コンビニ」と答えて、不正解

「お寺のほうが多い」

という正答にお約束の「えっっ」

という反応が得られるので番組を盛り上げるにはなかなか都合の

良い好問題になっています。



上記の通り、日本にはコンビニよりもお寺の数のほうが多いのです。

平成24年度版宗教年鑑によると日本のお寺の数は77394

これに対し、コンビニの数は平成27年2月現在で52380です。

圧倒的にお寺の方が多いのです。

しかも日本で一番お寺の数が多いのは京都府だと思われる方が

多いと思いますが、なんと一位は愛知県なのです。

その数4605です。ちなみに京都府は3087であり、

全国で一番少ないのは沖縄県で81。琉球王国の時代はお寺は無かった

のですからこれはしかたないとして宮崎県の357は愛知県と比べると

本当に少なすぎなのです。

なぜ、愛知県が日本で一番多いのかという答えは諸説あり、どれも

根拠が定かではないのですが、信長・秀吉・家康を輩出したこの地は

寺院に対し、手厚い知行が約束されたことは事実であり、

また江戸時代末期には大名の8割が愛知県出身という当時の日本

において、先祖の供養をするために出身地の菩提寺を手厚く保護した

ことは事実です。

このような事情もあり、愛知県はお寺の数が日本一。



お寺の数が多いということは寺院を経営する立場からいえば同業他社が

ひしめき合う市場です。現在の平成の世は「寺院離れ」「宗教離れ」が

叫ばれる中、寺院は安定した収入を得ることはますます難しく

なっています。結果的に単独では寺院経営が成り立たず、一人の住職が

複数の寺院の住職を兼務している兼務住職が大勢いらっしゃいます。

また、フューネの地元豊田市も寺院は多いのですが、お隣の徳川家康が

生まれた岡崎市は京都市よりもお寺の数が多く、おそらく、世界で一番

仏教系寺院の多い都市でしょう。

結果的に地元で需要がなく、多くの寺院さんが他の都市に出稼ぎに

行っていることもあまり知られていない事実です。




飽和状態といわれてコンビニよりも多い寺院がこれまで、経営難で

数が減ることがなかったのはそれなりに需要と地域の皆様の支え

があったから。しかしながら、現代は葬儀においても出仕するお寺さん

の人数はこれまでは7人だったけど、4人で良い。いや1人でいいという

お客様(檀家)の要望により仕事も収入も激減しているのが現状です。

では、檀家衆の皆様から寄進を増やすことも現実的は難しいものです。

さらに後継者不足の問題も。もっとも寺院経営に魅力が無くなってきた

から後継者問題も大きくなっていくのです。




守るべき地域の伝統はその地域のお寺が大きく関わっています。

このままでは無くなってしまう地域のお寺を守るのか、統合するのか?

その地域に住む住民である以上、お寺の存続問題は決して無関心では

いられないという大問題が日本の至るところで起き始めているのです。














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三浦 直樹

株式会社 FUNE (フューネ)代表取締役

1975年、愛知県豊田市生まれ。
2005年、株式会社FUNE (フューネ) の代表取締役に就任。
(株式会社ミウラ葬祭センターが社名変更)
2代目社長として経営回復、葬祭関連事業の 拡大を図る。
2024年、創業70周年を迎える。

代表就任以来「感動葬儀。」をテーマに掲げ、サービスの向上に努めた結果、2011年には週刊ダイヤモンド誌調査による「葬儀社350 社納得度ランキング (2月14日発売)」で全国第1位に。

一方、 葬祭業者のための専門学校「フューネ クリエイトアカデミー」を設立するなど、葬祭の在り方からサービスに至るまで、同業他社への発信を続ける。

終活のプロ、 経営コンサ ルタントとしても全国で講演多数。
著書に『感動葬儀。 心得箇条』(現代書林)、『間違いだらけの終活』(幻冬舎)、『2代目葬儀社社長が教える絶対に会社を潰さない事業承継のイロハ 代替わりは社長の終活』(現代書林)がある。

●好きな食べ物:和牛
●嫌いなもの:イクラ・泡盛


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