一年、一年の勝負
私の会社は9月末が決算期であり、毎年この時期は決算の対応で
忙しい日々を送ることなります。
社長にとって、毎年の評価が露骨に表れるのは財務諸表と言われる
貸借対照表と損益計算書です。
損益計算書は一年一年の会社の評価であるし、言い換えれば社長の
経営者としての通知表であるのです。
これに対して、貸借対照表はこれまでの会社の歴史であり、
先代、先々代という歴代の社長の評価と自分の代の評価が一枚の表
になっている会社の信用であり、会社力であるのです。
損益計算書が単年度の赤字でも、積み上げてきた会社の資産等が
貸借対照表あれば、簡単に信用が揺らぐものではありません。
逆を言えば一年で多額の利益を計上できたとしても、資産や社歴が
なければ、簡単に信用は勝ち取れないのです。
事業承継において、貸借対照表は会社の歴史であり、歴代経営者の
努力の賜物であることを継承しているケースはほとんどありません。
財務諸表を理解して、財務の分析をする能力は経営者として絶対に
持ち合わせていなければならない能力であるのですが、それ以上に
財務諸表の本質を継承しなければならないのです。
歴史を作っていくことの一歩は一年、一年の努力の集積です。
一年一年が勝負であり、だからこそ、期首・期末は経営者にとって
特別な節目なのです。