率先垂範
「率先垂範」は「そっせんすいはん」と読み、意味は「人の先頭に立って模範を示すこと」です。
これまでに数多くのリーダーが率先垂範の重要性を説き、自身で実践をしている行動の基本です。
特に中小企業の経営者はほとんどの方が率先垂範型です。
たとえば、環境美化の活動でも、社長さん自らがトイレ掃除をしたり、草取りをしたりと率先して行動をすることで従業員の模範となり、従業員の行動が変わっていくことが事業の発展に繋がります。
企業のトップは旗振り役であり、旗を振る目的の為に手段として率先垂範があります。
ところが、企業がある程度大きくなるとトップ自らが旗振り役をしなくても、管理職の社員が旗振り役を行うことで事業活動が回り出します。
そうなってくると企業のトップが率先垂範する必要性も無くなってしまうことがあります。
ここに、大きな勘違いやひずみを産み出してしまうことがあるのです。
企業の後継者は創業者とは違いある程度、旗振り役をしなくても継承時は事業が上手く回っていきます。
これは継承者の力量は全く関係なく、これまでにその企業が積み上げてきた事業活動のノウハウのおかげとも言えます。
このことに気づかずに後継者が率先垂範を見せないといつしか、企業そのものがおかしくなっていきます。
特に先代が率先垂範型の経営者であったならば、そのギャップは企業にとって大きな違和感に繋がっていきます。
後継者が大切にしなければならないものは、先代とは違う方針や考え方を組織内に浸透させるには何よりも率先垂範が重要であるということです。
先頭に立って模範を示す姿勢こそが、実績の無い後継者がこれから積み上げていくキャリア形成に大きく関わってくるのですから。
自分は「社長の息子だから何をしても良い」と本気に信じている後継者というもの驚くほど存在するのです。
あたりまえですが、アホな経営者を神輿に担ぐだけの余裕は企業の大小に関わらずこの国には無くなっている世情を理解することからはじめて貰いたいと思うことが経営指導をしているとたまに起きるのです。