ネット上の情報をどうみるか

東京都知事選挙は小池百合子氏の圧勝でしたが、やはり注目されたのは石丸伸二氏でした。
テレビや新聞などのメディアでは最初から小池vs蓮舫の構図で選挙戦を報道していましたが、2位に蓮舫さんでなく石丸氏になったという事実に選挙戦終了後、各メディアがこぞって石丸氏のことを取り上げていることはいささか滑稽に思えます。

石丸氏はネット上でのYouTubeやSNSを駆使して、165万票もの得票を記録しました。
特にYouTubeでの動画配信は多くの人がシェアをしていくことで大きな力となりました。
現代は若者を中心というか、子供はテレビを見ない時代です。
テレビを見ないでも簡単に欲しい情報を検索出来ます。
しかし、簡単に検索できるようになった今、気をつけなければならないことは検索した結果自分にとって都合の良い情報しか見ることが出来なくなっていることに気がつかなければなりません。
さらに、多くの検索エンジンでは一旦検索したキーワードはAIが関連の情報をあげてくれるので、ますます自分自身の都合の良い情報だけで状況を判断してしまう傾向にあるのです。

スティーブ・ジョブズがiPhoneを発明した時に開発における一番の目的は「取扱説明書が無くても操作できる端末」をということでした。
結果的にそれは直感力のみで操作できるスマートフォンに繋がったのです。
現代人は知らず知らずのうちに毎日、直感力を磨く訓練を受けているのです。
しかしながら、この弊害として物事の事象を論理的に捉えることがとても難しくなりました。
結果、深く物事を考えることが苦手な人間が増えたのです。
特にある程度基礎知識や人生経験が豊富な人が直感で物事を捉えることは間違いが少ないのですが、人生経験の少ない若者が直感力だけで物事を判断するのは大きな危険性を孕んでいるのです。

石丸伸二氏の言葉は直感で感じるならば、非常に居心地の良いの言葉の連続です。
本来選挙戦というのは論理的な政策を論じる場であるのですが、政策で選んだ訳ではない165万票であったと思っています。
今回の選挙戦を通じて直感で感じる言葉が世の中を支配してしまう危うさを感じてしまいました。

さて、事業継承する継承者も「直感力」世代の方々ばかりになってきました。企業に創業より物語(ストーリー)があり、継承者はその物語を論理的に分析し未来を創って行かなければならない責任があるはずですが、直感で感じた政策に踊ってこれまでの企業風土を簡単にぶち壊してしまう後継者が多いの現実です。
ネット上の情報を過信せず、ネット上の情報も様々な角度から検証し、分析する力がこれからの企業経営者に求められる重要なスキルなのです。





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